怪獣と幽霊

colormal イエナガによる雑記

増補:夜に交じる私は画面の向こうで②

▼はじめに…

①をご覧下さい。

https://colormal.hatenablog.com/entry/2025/07/17/011632

 

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5.長い夢(デモタイトル:ながいゆめ)

この楽曲も放銃と同時期(2022年頃?)に一部だけ作成されていたもの。〈長い夢なのでしょうかここは…〉の部分のみ、そこをサビとしたデモが元になっています。

バンドメンバーの反応を見つつ何度かアレンジをやり直しており、結果として全てのパートがサビっぽい構成になりました。捉え方としては… イントロ/サビ/サビ2/サビ/サビ2/真・サビ みたいなイメージですね。

 

この曲を作ったのは、スーパードンキーコング2の“とげとげタルめいろ”や“きりのもり”を人力でやりたかったから。過剰に歪んだベースはゲーム音楽の低bitな音をバンドに落とし込んだものになります。

参考:とげとげタルめいろ(権利者に収益が行っていないと思われるアップロードなので自己責任でご覧ください)

https://youtu.be/GUDoW1pqEV8?si=w4bz_blWjetGrOdK

 

サビ2の後半の〈ねえ誰もがサンタなんて…〉のパートは、メロディをスーパードンキーコング2のBGMで多用されているトランペットの音で脳内再生してみて欲しいです。きっと、やりたかったことが伝わるので。

ラスサビの直前パートは、ドラムがすごくフリーキーなフレーズであることに耳が持っていかれますが… 裏側でバッハのメヌエットにChase BlissのMOODをかけた音が鳴っています。

 

メヌエットと言えば電話の保留音であったり、ゴミ収集のカートから流れるような曲であり…。誰からも待ちぼうけをくらいながら、馴染めない思いだけを抱えて、一人ロビーに立ちすくむ主人公にうってつけの選曲だと感じてアレンジの際に盛り込みました。

 

あとはMVも面白いので、下記のツイート(ポスト)を参考にしてもらいながら見てもらえると楽しめるかと思います。

https://x.com/clm_yeng/status/1944747276934459467?s=46

 

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6.アドレセンス(デモタイトル:adore)

こう言う曲は私の得意分野であり、放っておくとこんな曲ばかり書いてしまう類のものですね。最初のデモを投げた時のメンバーの反応も「またこう言うやつね」と言った感じだったかと思います。

リスナーに対してはそれを感じさせない為に、このアルバムの中でもギターフレーズを一番美しい組み立て方にして「手癖作曲感」を払拭することに苦心した記憶があります。結果として私はレギュラーチューニング、リードは1カポ。サビのリードギターが対旋律になっている部分が個人的に自慢したいポイントです。

 

この楽曲はアルバムの制作内でも最後に作っています。そこまでくるとかなりスケジュールが逼迫していて、メンバーにベースとドラムのみのデモを送ったのは録音の10日前… リードギター入りのものは当日早朝とかに送った記憶があります。

colormalの制作は「みんなで家永が作ったフレーズを濃くしていくもの」と「家永からガチガチに指定されているので完コピさせられるもの」の2パターンに分かれるのですが、アドレセンスはほぼ後者だったので、ギリギリの共有でもなんとかなったのかなと思います。

ただ、ギターソロ裏側でのメロディアスなベースは録音直前に組み立ててきてくれたものだったりして、徐々に僕の無茶なスケジュール感にメンバーが合わせてきてくれるようになったことを感じたのもこの曲でした。

 

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7.wrong song(デモタイトル:オブチキ)

FMラジオのヘビーローテーションでやたらと流れていたことだけは思い出せるけど、アーティスト名や細かいアレンジは分からない。そんな誰しもの記憶に存在する「どうでもいいけど覚えてる曲」を目指して作成しました。つまりは「至上のアルバム曲」でもあるわけですね。

 

バンドでのアレンジ擦り合わせの際、上記の思いを知ってか知らずか、田井中から「全体的にスピッツのような跳ねたビートにしたい」と言われて採用。第1稿デモをメンバーに送った際は、あまりにもBUMP OF CHICKENの“fire sign”過ぎたため、僕らの中で“オブチキ”だの“バンチキ”など言われていました。

 

結果として「BUMP OF CHICKENスピッツに影響を多分に受けながらも、特にそこから有名にならなかった架空バンドのヘビロテ曲」としてアレンジが固まり、極め付けは冒頭のラジオボイスのこってりとしたアレンジが加わったことで、そもそもの目的がかなりの高水準で達成できたのがこの曲となっています。

ここまで書くと、この曲に愛がないように受け止められかねないので加筆しておくと、この楽曲のサビのベースラインは僕が今まで考えたベースラインの中でも随一の名フレーズになっているんじゃないかと思っています。もしベースを弾ける方がいたら音を採って弾いてみて欲しい。

 

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8.東京(デモタイトルなし)

この曲に関しては一切書くことはありませんので、過去のインタビュー類をご参照ください。バンドの10周年企画としてメンバーが選んで再録しています。

 

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続き:https://t.co/UqQnsfUoU9