kensei ogata × sara pedals “Wendy”

kensei ogataさんとsarapedalsの共作オーバードライブ「Wendy」を試させていただきましたので、参考になればと思いブログにレビューをまとめます。写真左側が前作の3ノブ、右側がWendyです。
▼Wendyの購入
https://koband.thebase.in/items/112504933
▼全体の質感について
ゲインについては、全体的にTSやBOSS/SD-2の系譜に近い、やや粒立ちの大きいタイプだと感じました。近年流行しているJan RayやBB系と比べると、少しザラっとしたニュアンスが強い印象です。
トーンについては、ミドルハンプ(中域の盛り上がり)が抑えられていること、そしてゲインセクションより後段でローを増減できる点がかなり便利です。メインのトーンノブ(左上)と低音をコントロールするノブ(左下)がEQセクションにあたります。
ボリュームは後段のエフェクターをプッシュするのに十分な音量がありますし、ボリュームに限らず全てのノブがかなりピーキーな領域まで可変するため、カバーできる幅が広いです。
バイパス音については、前作の3ノブ版では僅かにレンジが狭まる感覚がありましたが、それが軽減されています。いずれにせよ誤差の範囲ですが、細かく言えば音は変わります。
▼筐体や音以外について
前作の3ノブODの時からそうですが、スイッチやジャックが非常にかっちりしていて安心感があります。普段こういった堅牢性をそこまで気にしないのですが、わざわざ書きたくなるくらい「手に取ったときの確かさ」があります。
また、スイッチが右下に位置しているのは、このエフェクターが比較的オンオフの多い使い方を想定しているからだと感じました。私はボードの右下に配置し、特に意識せずともオンオフを切り替えられる形で運用しています。(ギターボーカルにとってはありがたい設計です)
▼音作りについて
このWendyを、ゲインを最小から最大まで鳴らしてみた動画を作成しました。
https://youtu.be/AWBu8-SUokA?si=xnQonzZQTy8MOq_E
動画ではまず「トーン最小/ベース最大」の状態から音作りをしていますが、個人的にはこれがスタートポジションだと感じます。
ゲインを上げていくにつれ、
①「もう少し歪みの塊感が欲しい」と思ったら【トーンを上げる】
②「低域が邪魔」と感じたら【ベースを削る】
この2つを意識しながら調整すると、ゲイン0から最大までスムーズに音作りができました。逆にとりあえずセンターから始めると、腰高でオールドスクールな印象になりやすいです。EQ周りにこのペダルの守備範囲の広さがよく表れていると思います。
▼おすすめ設定
①ローゲインOD
低域を多めに残しつつ、欲しい軽やかさや抜け感が得られるところまでトーンを上げていくと、ローゲインがとても作りやすいです。なお、トーンを上げると歪み量も増える挙動があります。
https://youtu.be/ds4EQYLOc_4?si=yN9cDdTDVxJETIZZ
②ハイゲイン(リード)
このエフェクターは作りがかっちりしている、と先ほども書きましたが、その印象のままゲインを上げても線がくっきりしていて非常にかっこいいです。よくあるTS系インスパイアのペダルだと、この段階でかなりぼやけてしまうことも多い中で、異質な存在感があります。
動画ではピックアップを切り替えながら弾いていますが、どのポジションでも埋もれたり暴れたりしないのが特徴的です。
https://youtu.be/2NYC7icu0ik?si=6CxYVNVsgExT2OdH
③ブースター
後段の歪みエフェクターをブーストする用途で使用しています。一般的にODをブースターとして使う場合、「トーンは少し上げ気味」にすることが多いと思います。しかしWendyはトーンを最小付近にした方がよりナチュラルで、ブースト時の重量感も出しやすい印象でした。その際は左下のローを下げると、さらに良い感触が得られました。
Wendy特有の“真面目なゲインのくっきり感”は、後段のエフェクターと混じっても薄れることがなく、愛用している歪みペダルとスタックしてもイメージが崩れないのが魅力です。
https://youtu.be/RjP3wVRJpdY?si=7gOiLj72mq07ib9
ちなみに私の場合は③の用途が多く、アルペジオ中心の楽曲では①のようにも使える中間的なセッティングにしています。
▼総括・用途について
私はコード感がしっかり出るゲインを持ったエフェクターが好きで、いわゆるトランスペアレント系に手を伸ばしがちです。
ただ、その場合「詰まらない/飽きる」とか「芯から歪んでいない」と感じることもあります。これは少しクリーンが混ざったような音が原因になっていることが多く、そこにパンチを加えるような使い方ができるペダルを求める中でWendyはとても良い仕事をしてくれます。
Wendyは「TS系のゲイン質でありながらミドルが盛り上がらない」「ローがゲインに干渉せず低音がダマにならない」という2点が特徴的で、初段のオーバードライブとしてゲインの中核を担うのに最適だと感じました。
作りの堅牢さも含めて、手にした時の満足感も高いので純粋にお勧めできるエフェクターです!
増補:夜に交じる私は画面の向こうで③
▼はじめに
①から順にご覧下さい。
https://colormal.hatenablog.com/entry/2025/07/17/011632
▼バンドについて
設定したゴールよりも、目の前にぶら下がったニンジンに気を取られてしまうことが多くあります。そのうちペースを見誤ってゴールに辿り着けないスタミナ配分になることや、ニンジンを食べれたことで満足することがたくさんある。
バンド活動においても全くそうです。僕がバンド、ひいては音楽をやっている理由は「いい作品が作りたい」の一点だけです。
しかしながらバンドで活動していると、例えばライブで演奏力が高い共演バンドに打ちひしがれることがあったりします。本来ライブの良さなんて、自分自身に求めていなかったのに。
憧れのアーティストと共演したり、すれ違う瞬間がやってこないことに酷く落胆してしまうことも多くあります。別に憧れの人に出会う為に活動しているわけじゃないのに。
もちろん、楽曲制作と表裏一体な面もあります。最高のライブや、憧れとの触れ合いはきっと名曲を生み出す一因になるでしょう。でも、自分がそもそもやりたかったことと関係のないノイズで聴き取りたかったものが聴こえなくなってしまうことがあまりに多い。
それでもアンコントローラブルな要素が強いメンバーに演奏を委ね、実際にステージから聴いてくれる人間の顔を見渡せる環境… あれを一度味わってしまうとそんなことは些細なことに思えてくるわけです。
▼なぜ「無敵の人」がテーマになったか
音楽活動を続けてくると、少ないながら友達が出来るようになりました。お互いの楽曲がきっかけになることもあれば、インターネットを介した出会いも含めて友人にはすごく恵まれているなと思います。
そして、僕が音楽活動を通して出会った友人の多くは、(その大小こそあれど)僕より沢山のリスナーを抱えて大きなステージに立って行くことが殆どでした。本来リスナーの数やステージの大きさなんてどうでも良いはずですが、悔しいと言う思いをしてしまいます。先ほど書いたバンド活動における“ニンジン”ですね。
少なからず、その悔しさを踏まえた上で仲間外れにされたくないと言った感情がこれまでの作品には込められてきたように思います。別に抱えなくても構わない悔しさと、本来やりたいことの行き交いを続けながら活動は続いてきました。
世間はコロナ禍を終えたころ、自分には少し心境の変化が生まれます。混ざりたかったはずの友人たちや、憧れのアーティストたちに違和感を覚えることが増えたからです。
もっと直接的に言えば、音楽で生計を立てる友人たちと、会社でサラリーマンとして勤めている自分との間に、社会に対する考え方において埋まらない溝が出来たように感じてしまったんですね。
これは語弊を恐れずに言えば「イノセントなアーティスト」と「現実を見ている社会人」なんて書いてしまえば分かりやすいかもしれません。どちらが正しいとかではなく。
アーティストはその立場上、社会問題に対するスタンスの表明を行うことはあまり珍しくありません。
語り口として「〇〇について知ってください、そしてスタンスを表明してください」と言ったことを発言する人も多くいます。これに近いことを発言した親しい友人に対して僕は「馬鹿にしているのか」と感じてしまいました。
たったそれだけのことですが、まだ友人たちが物語の中に生きているのに、その舞台から自分は降ろされてしまったかのように思えたんですね。大袈裟ではありますが、この瞬間はとても寂しいと感じるものでした。
同時に、上記の感覚を作品にパッケージングしたいと考えました。それが出来れば、働きながら創作をしているが故の面白さも出るだろうと。もちろん、シンプルに自分が感じたこと・思ったことを残しておきたいと言った気持ちもそれに合わさった欲求でした。
アルバムの制作としては折り返しに入り、“獣たち”を制作中でした。歌を録音する30分前まで歌詞が出来ていなかったのですが、幸い今まで作詞で1時間以上かけたことがないので感覚的に作詞は進み、サビの歌詞はこう始まります。
〈今誰になったって構わないのに〉
誰にでもなれたのに、本筋と関わりのないノイズのせいで「誰にも共感されない」「誰とも共感できない」人間が主人公として浮かび上がって来ました。これはなんとなく、僕自身が抱えた孤独感とも若干被ってくるところがあるように思えてきます。
ただ少し大人になって自他のギャップを知っただけのことを、出来るだけ大袈裟に描きたい。どこのスタンスにも当てはまらない自分はまるで「無敵な人」みたいじゃないかと。
ある程度、他の楽曲内容もそのストーリーにこじつけられないか考えたあとで、僕はメンバーに対して「無敵の人」が主人公となるストーリーを話しました。
▼夜に交じっていたのは
結論として、①の記事にも記載されたフィクションとメタ視点の二軸を収めたのが今作です。
「夜に交じる人たち」と言うタイトルは…
・今作の主人公が後ろめたさを抱えて、昼(社会性)から離れて夜に逃げて行くこと
・こんな創作を、夜中にパソコンの光に照らされながらやっている自分
をうまく混ぜ込めたので、タイトルにしました。アルバムのタイトルを考える際にメンバーを集めて案を出してもらったのですが、結果としてそこで上がったアイデアを無視してしまう形になって申し訳なかったのですが。
▼さいごに
曲の解説も、こう言った意図の表明も無粋だと感じてしまう人もいらっしゃるかと思います。どちらかと言えば、私もそうです。
しかしながら、こんな風に書いて残さないと誰もそこまで辿り着いてくれないような規模感での創作活動だという自覚もあります。この考え方のスタンスは僕が最初に出した“merkmal”と言うアルバムの特設サイトを作ってくれた友人から影響を受けたものになります。
「何を考えていたかは、不格好でもちゃんと残しておこう」と言うようなことを二人で話していた気がします。
参考:merkmal特設サイト
https://mabaserecords-colormal-merkmal.tumblr.com/interview
特にこれが全ての種明かしであると言うこともありませんので、是非繰り返しアルバムを聴く際のスパイスとしてブログを楽しんで貰えたら幸いです。
増補:夜に交じる私は画面の向こうで②
▼はじめに…
①をご覧下さい。
https://colormal.hatenablog.com/entry/2025/07/17/011632
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5.長い夢(デモタイトル:ながいゆめ)
この楽曲も放銃と同時期(2022年頃?)に一部だけ作成されていたもの。〈長い夢なのでしょうかここは…〉の部分のみ、そこをサビとしたデモが元になっています。
バンドメンバーの反応を見つつ何度かアレンジをやり直しており、結果として全てのパートがサビっぽい構成になりました。捉え方としては… イントロ/サビ/サビ2/サビ/サビ2/真・サビ みたいなイメージですね。
この曲を作ったのは、スーパードンキーコング2の“とげとげタルめいろ”や“きりのもり”を人力でやりたかったから。過剰に歪んだベースはゲーム音楽の低bitな音をバンドに落とし込んだものになります。
参考:とげとげタルめいろ(権利者に収益が行っていないと思われるアップロードなので自己責任でご覧ください)
https://youtu.be/GUDoW1pqEV8?si=w4bz_blWjetGrOdK
サビ2の後半の〈ねえ誰もがサンタなんて…〉のパートは、メロディをスーパードンキーコング2のBGMで多用されているトランペットの音で脳内再生してみて欲しいです。きっと、やりたかったことが伝わるので。
ラスサビの直前パートは、ドラムがすごくフリーキーなフレーズであることに耳が持っていかれますが… 裏側でバッハのメヌエットにChase BlissのMOODをかけた音が鳴っています。
メヌエットと言えば電話の保留音であったり、ゴミ収集のカートから流れるような曲であり…。誰からも待ちぼうけをくらいながら、馴染めない思いだけを抱えて、一人ロビーに立ちすくむ主人公にうってつけの選曲だと感じてアレンジの際に盛り込みました。
あとはMVも面白いので、下記のツイート(ポスト)を参考にしてもらいながら見てもらえると楽しめるかと思います。
https://x.com/clm_yeng/status/1944747276934459467?s=46
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6.アドレセンス(デモタイトル:adore)
こう言う曲は私の得意分野であり、放っておくとこんな曲ばかり書いてしまう類のものですね。最初のデモを投げた時のメンバーの反応も「またこう言うやつね」と言った感じだったかと思います。
リスナーに対してはそれを感じさせない為に、このアルバムの中でもギターフレーズを一番美しい組み立て方にして「手癖作曲感」を払拭することに苦心した記憶があります。結果として私はレギュラーチューニング、リードは1カポ。サビのリードギターが対旋律になっている部分が個人的に自慢したいポイントです。
この楽曲はアルバムの制作内でも最後に作っています。そこまでくるとかなりスケジュールが逼迫していて、メンバーにベースとドラムのみのデモを送ったのは録音の10日前… リードギター入りのものは当日早朝とかに送った記憶があります。
colormalの制作は「みんなで家永が作ったフレーズを濃くしていくもの」と「家永からガチガチに指定されているので完コピさせられるもの」の2パターンに分かれるのですが、アドレセンスはほぼ後者だったので、ギリギリの共有でもなんとかなったのかなと思います。
ただ、ギターソロ裏側でのメロディアスなベースは録音直前に組み立ててきてくれたものだったりして、徐々に僕の無茶なスケジュール感にメンバーが合わせてきてくれるようになったことを感じたのもこの曲でした。
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7.wrong song(デモタイトル:オブチキ)
FMラジオのヘビーローテーションでやたらと流れていたことだけは思い出せるけど、アーティスト名や細かいアレンジは分からない。そんな誰しもの記憶に存在する「どうでもいいけど覚えてる曲」を目指して作成しました。つまりは「至上のアルバム曲」でもあるわけですね。
バンドでのアレンジ擦り合わせの際、上記の思いを知ってか知らずか、田井中から「全体的にスピッツのような跳ねたビートにしたい」と言われて採用。第1稿デモをメンバーに送った際は、あまりにもBUMP OF CHICKENの“fire sign”過ぎたため、僕らの中で“オブチキ”だの“バンチキ”など言われていました。
結果として「BUMP OF CHICKENやスピッツに影響を多分に受けながらも、特にそこから有名にならなかった架空バンドのヘビロテ曲」としてアレンジが固まり、極め付けは冒頭のラジオボイスのこってりとしたアレンジが加わったことで、そもそもの目的がかなりの高水準で達成できたのがこの曲となっています。
ここまで書くと、この曲に愛がないように受け止められかねないので加筆しておくと、この楽曲のサビのベースラインは僕が今まで考えたベースラインの中でも随一の名フレーズになっているんじゃないかと思っています。もしベースを弾ける方がいたら音を採って弾いてみて欲しい。
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8.東京(デモタイトルなし)
この曲に関しては一切書くことはありませんので、過去のインタビュー類をご参照ください。バンドの10周年企画としてメンバーが選んで再録しています。
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増補:夜に交じる私は画面の向こうで①
▼はじめに…
この文章は、colormalの3rdアルバム“夜に交じる人たち”に寄せて、主に作編曲を行なった私の主観の文章になります。まだ聴いたことない皆さんにおかれましては、事前にアルバムを聴いた上で読んでもらえるとより面白さ・理解が深まる内容となっています。
我々に限らず、世にある掃いて捨てるほどいるインディーズアーティストは、自身が抱えている情熱とは裏腹に作品に対して向けた情熱がインタビューや雑誌に残ることはありません。
サブスクリプションサービス隆盛の今、そんなアーティストはこれまでより多く増えるでしょう。それでも、今作に興味を持ってあとからその歴史を振り返ったくれる人がいたら、その時に嬉しいコンテンツを残しておきたい。僕自身の、勝手な理念のためのブログであることを踏まえてもらえると幸いです。
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▼はじめに…2
まず、今回の音源“夜に交じる人たち”に関しては大きく分けて2軸で製作を行なっています。
①架空の主人公Aが“放銃”を起点として、取り返しのつかないことをしてしまった自分を振り返りながら、逃避行を進めていくロードムービーとしての物語。
②上記で挙げられた物語の主人公に対して、作編曲を行なった僕自身(イエナガ)のメタ的な感情の投影。
①に関しては、アルバム発売後に行われた大阪・東京での先行視聴会にて話しました。これから先は②について、掘り下げつつバンドの作編曲者がどんなことを考えながらアルバム製作を行ったかを書いた内容になります。
重ねてのお願いになりますが、「夜に交じる人たち」を聴いてから読んでもらえると面白いものになっているかなと思います。
もちろん、この文章から面白さを見出して音源を聴いていただけたらそれも本望ではあります。
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▼アルバムについて
今回のアルバムはcolormalの3rdアルバム「夜に交じる人たち」です。2014年に活動を始めたソロ活動である“colormal”は2019年終わり頃にバンドとして形態を変更し、ソロ10周年/バンド編成5年のタイミングでリリースされました。
今作のテーマは「無敵の人」です。
社会的にセンセーショナルな単語であり、カジュアルに扱うべきでないことを踏まえて、誰もが道を違えたかもしれないifの世界線を描いたストーリーを楽曲に落とし込んでいます。
【はじめに…】で記載した①については架空の内容であり、②についてはバンド内で活動するコンポーザーである私を投影した内容となっています。基本的に各楽曲の解説を、②の視点及び私の作曲時の狙いを中心に書いていきます。
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1.放銃 (デモタイトル:houju)
世間がコロナ禍に入って少し経った、2020年にcolormalは結成しました。2ndアルバムである“diode”のリリース後、さらに曲をつくるために僕がX上に投稿していた“サビのみ”のデモが元になっています。
ちょうどその頃、世間では国内外でセンセーショナルな銃撃事件がありました。その頃、所謂“巣篭もり”が加速する中で麻雀について勉強していた僕は“放銃”と言う単語を知り、楽曲のモチーフとしたいと思ったことが由来となっています。
麻雀における“放銃”は…
「放銃」は、自分が捨てた牌で相手が上がってしまい、点数を取られることです。
要するに、自分を起点として相手が勝ってしまうこと。これを人と人のコミュニケーションにおいて「良かれと思って発言したことが裏目に出てしまう」ことに例えた歌詞になっています。
作曲としては、当時生成AI「sunoAI」のブレイクスルーがありました。これまでの音楽製作AIと異なり、漠然としたテーマに対して異常な完成度をもってデータを打ち返してくることでSNSを中心に話題を産んできました。
・他の創作分野と異なっている点として、音楽はAIによる制作がそれほど脅威ではないこと。なぜなら、結果ではなく過程を楽しむ要素が大きいため。
・AIによる作曲は、画像生成で言う「不気味の谷」から抜け出せないレベルであり、むしろそれが面白さの一点であること。
この「AIの不気味な作曲」を人力で表現しながら、テーマとしては社会のことに出来たらおもしろいのではないかと言う意図をもとに制作しています。
身も蓋もないことを言えば、 AIが【社会性の強いMr.Childrenの新曲】を作ったらどうなるの?を行なった結果であり、それは楽曲中の無理やりな転調や平坦なリズムパターンに表したもの…。
皆さんがChatGPTやGrokに対して投げかけるものを人力で再現したらどうだろうか?
と言った楽曲になっています。
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2.獣たち (デモタイトル:nokemono)
今作のリードチューン。
作曲当時は、非常にスランプでした。
働きながら音楽活動を続ける僕は、転職活動を行なっている真っ最中。労働しなければ、いくらだって曲を作れると思っていました。結果蓋を開けると、メリハリのない生活で産まれる中身のないデモ音源たち。
僕は音楽それ自体を生業とする友人たちと違って、【働かないと制作が出来ない】人間だと思わされました。私以外の誰もが音楽を通じてスタンスの表明やエゴを確立しているのに、それは自分には叶わないことなのだと。
それは、天才たちに交われない“nokemono”だと。そこからタイトルをもじって、獣と言う単語をモチーフに製作を進めています。
楽曲の根幹であるコード進行とメロディは、これまでの作曲のなかで最も平坦なものになりました。ベースソロから性急に変わっていく展開や、目まぐるしい展開はその打開にむけた煩悶の歴史です。
結果として、大きな変革を求めてこねくりかえしを続けて生きていく獣のような楽曲になりました。僕自身、そしてバンドメンバーにとって大きな転換点となった楽曲です。
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3.再放送(デモタイトル忘れた)
メロンブックスのコンピレーションアルバム“HHH”に向けて書き下ろした過去の楽曲。テーマは“hate”であり、不満や嫌なものを吐き出して欲しいと言うものでした。
自分にとって嫌なものはなんだろう。
いつまで経っても同じものを垂れ流して、いらぬ対立やいがみ合いを生み出す再放送のようなテレビがそれに感じられました。
何度も何度も繰り返して、それにあてられた人たちも同じことを繰り返す… それを古典的なダンスチューンに当てはめた楽曲となっています。この曲のアレンジは数年に渡って幾度となく変化しており、もしそれに興味を持つ人がいたら是非インターネットから探し当ててもらえればと思います。
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4.発光(デモタイトル:molmolmol)
私は早くに母を亡くしました。
このことは前作の“天国”で書きました。
詳しくはツイートを探してください。
…それが誰の責任と言うこともなく、父と別居することになった僕は祖父母に引き取られます。和室のなかで一人ギターを弾いて、夜になると雑誌の付録でついてきたプラネタリウムの模型に電気をつけて過ごしていました。
孤独ってこんなもの?
分からないけど、そのプラネタリウムが必要とする単1電池を探して部屋を探し回る自分がそうだと思えてきてしまった訳です。だって滑稽だし。
時間は経って、誰も聞かない音楽をパソコンの光を受けながら宅録で作っている自分がいます。別に向こう側に誰もいなくてもいいし、たくさんのリスナーを抱えた今ですら向こう側に誰もいなくて良いと思う。選んで一人でいるようで、一人でいることを照らせたらいいのにと思う自分。
すごくパーソナルな曲です。
前作“diode”を完成させたあと、なぜか凄く寂しくなって書き下ろした楽器です。
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2022 振り返り 7-9月
●7月

anode EPのミックス作業を2日間で行った。瞳に関しては東京のトリプルタイムスタジオでオンラインミックスを依頼したので、残りの3曲を録音もした日本橋LubLabで行うスケジュールになった。エンジニアの西平さんも我々に対する理解が深まってくれた様で、面倒な処理をお願いする場面も多かったが、お陰様でいい音の作品になったと思う。無限に予算が有れば一生レコーディングだけしていたいと思うくらいに制作は楽しいが、色々と小言を言われながら録音するメンバーは大変だと思う。

アーティスト写真の撮影をスパイスアベニューゆう吉(ゲストハウス木雲)で行った。正直言ってしまえば、別に事務所に所属しているわけでもない我々がこまめに写真を更新する必要はないと思うが、後から見返すとその時のモードも思い出せて良いのかも。
スパイスアベニューゆう吉は、引っ越してきてから通う様になった馴染みの店。元々はカレー屋のみの営業だったが、最近は立ち飲み営業も始めたので輪をかけて通う様になってしまった。

一旦リリース周りが落ち着いたので夏休み。ブライアンイーノ京都展に行ったりした。アンビエントミュージックに造詣が深いわけでもないが、マツヤマと田井中が行っていたので空前のイーノブームに乗らない訳には行かず。座席が用意されている展示で普通に20分くらい寝れたので、アンビエントっていいものですね。

おまけでゴールデンカムイ展へ。ヒンナヒンナ。
▼聴いていた音楽
もう成熟というか、おっさん達がやってるバーベキューとかを横から覗かせてもらってるくらいのテンションで音源を聴いてしまっている。こちらが求める音で、寄せられる期待は微妙にいなしつつ気持ちいい曲をリリースし続けていて素晴らしい。こういうバンドになりたいよね、みんなそうなんだろうけど。
●8月

8/6〜8/7にかけて東京で二日間ライブ。この辺りから最早東京に対する感覚が狂い出した気がする。初日は新宿ナインスパイス、羽生ちゃんの企画だったが終始演者への愛ある企画だったので良かった。初めましてのasayake no atoとはここで挨拶をさせてもらい、来年2月のツアー打診をこの日にはしてもらっていた気がする。
2日目は憧れの新代田FEVERにて、草稿さんのイベントに。フォトハイ及びTTUDの力を借りた上でだが、今年やった東京でのライブの中ではトップクラスに思い出深い公演だった。ゲスト参加してくれたU-1ありがとう。
なによりFEVERは楽屋が広いし、ステージへの動線も余裕があり素晴らしい。冗談抜きで楽屋の面積がその日のライブに影響しているとすら思う。終演後は秋に共演が決まっていたkurayamisakaのメンバーや望月起一くんと話し込んだりと打ち上げも楽しかった。信じられないほど泥酔しホテルに戻り、翌日は仕事だったので朝6時の新幹線で帰阪。

中旬、笹川真生がかなり久しぶりに関西でライブをするとのことでスタッフをすることに。前乗りしていたらしく、まおちを酒菜うえっちに連れていけたので良かった。うえっちは7年くらい通ってるし、まおっちは仲良くなって5年くらい経った気がする。プルコッチ味噌きゅうり、と言う悪魔級に美味しいアテがあり、二人しておかわりなどして楽しかった。
翌日はお手伝い、と言っても転換を手伝った程度だけど。そもそも笹川真生のライブを見ること自体数年前のツーマン以来だったので、配信で見ていたとは言え変化に驚いた。キーボードの千冬ちゃんがアレンジにめちゃくちゃ寄与していたり、鳩くんクロカワくんのリズム隊も進化しまくり。maison(2022)楽屋にいたから聴けると分かっていながらも感動した。

8/17 anode EPリリース。もうこのEPに関して語ることは一切ないので、OTOTOYのインタビューやライナーノーツを参照して頂きたく。後は数年後になんとなく再生したくなるかどうかがこの作品の評価ポイントだ。

8/21 SUMMER SONIC 大阪へ。1975が本当にオールタイムベストな内容でライブをしてくれるもんだから、本当に泣き踊りみたいな感じになってしまい良かった。すっかりこの体験で「夏って最高」と思ってしまい、海水浴に行ったり花火を見に行くなどしてしまった。根本的にメンタルが流されやすい人間で良かったと思う。
▼聴いていた音楽
パソコン音楽クラブ - KICK&GO(feat. 林青空)
友達が最高の音楽やっててシンプルに泣いてしまった。林青空のシングルをパ音柴田くんと編曲したの、かなり昔になるんですね。パソコン音楽クラブがSee-Voice(名盤)を完成させた後、歌物を作るモードに入っているのが個人的に嬉しい。
●9月

個人的にワンマン以降、新しい音のモードに行きたいと思ってストラトキャスターを買った。American Proffecionalだが、前オーナーがリフィニッシュしたり各パーツを細かく交換しており、それがかなり功を奏して良いギターになっている。端的に言うとブライトな方向になっているが、ジャズマスターで嫌になるほどトレブルに向き合ってきた自分にとってこれくらい暴れ感がないと物足りなかった。

anode EPリリースのお祝いも兼ねて、前から共催イベントをしたいねと言っていたyeti let you noticeとパンゲアにて企画 “Chapter 1”
楽しかったし、個人的にここから各バンドに新しいお客さんの層がついたことが凄く嬉しかった。来年は東京で“Chapter 2”をやれるかと思います。
残りはバンドに向けてのデモ作業がメインで、在処のデモなどがこの頃に出来たと思われる。大学の友人が結婚式に曲を書いて欲しい、と言ったくれたことをきっかけに作業をしていた。
▼聴いていた音楽
Khaki - Overtone
狂った様に2〜3ヶ月聴き続けていたと思う。大阪で聴ける機会もあるといいな… MVが特に良いのでYouTubeで見てください。
2022 振り返り 4-6月
早めに書き切らないと年を越してしまいかねないので、早足で。
●4月
命日が近かったので母の墓参りに行く。10歳の時に亡くなったのでもう15年以上経っていることにびっくりしつつ、もう少しまめに参らないと行けないと反省した。お酒を墓前に供えたことがなかったので置いてみたりした。生前コーヒーと酒ばかり飲んでいたあたりは遺伝子を引き継げていますので、今後ともよろしくお願いします!
ちなみに母は音楽にはそんなに明るくなかったみたいだが、棚から漁って見つけたブライアン・フェリーのアルバムを契機にグラムロックを聴いてドヤ顔をしていたことがある。シューゲイズを嫌う自分なりのリバーブを意識する原体験だった。

今年は斜に構えず、季節を謳歌したかったのでネモフィラを見た。かの有名なひたちなか海浜公園もいつか行きたいと思った。花とか海とか、いつまで経っても心惹かれてしまうのは何故なんでしょう。

末に控えるワンマンライブを前に音作りを見直すべく、メインのエフェクターを入れ替えた。OKKO Diablo Dualは今年のベストバイの一つなんじゃなかろうか… 細かいことを書いても分からない人も多いかもしれないので簡潔に書くと、個性的な音ではないけどこれを入手して自分らしいニュアンスが出せるようになった。

4/15 Hue'sのアルバムリリースイベントにお誘いを頂いて、出演した。バンドとしての歴の違いがあるにしても、あそこまで高純度の鉄塊みたいな音像をメンバーで出せたらどんな気持ちだろうと思う。ひたすらに早い出音、とてつもなく良い声… いつ見ても惚れる。
金字塔を打ち立ててるよ、と思った矢先に龍くんが旗を掲げて少し泣きそうになった。建国でもしてるんかと言いたくなるが、演出として非の打ち所がないヒロイズムだった。また来年も一緒に演奏出来たら嬉しいが、突如売れて話しかけるのが億劫にもなって欲しい。

会社でお世話になった先輩が退職するとのことで、若手で和歌山のコテージに泊まりに行った。思えば仕事を辞めたいと相談していたのに、この先輩が抜け駆けをしたことで言い出せなくなってしまった。良い人もいる職場だけど、それだけに絆されてしまう事が多かった。このタイミングで思ったが、今年はやたらと海に行っている気がする。

4/30 キャリア初ワンマンをTOKIO TOKYOで開催する。ライブについては子細に書かないが、やはり未だに疲れた日の夢に見るくらい感動的だった。自分の創作物で人を集めることは、他ではなかなか補えない気持ちよさに溢れていると思う。なんでこんな真剣に音楽をやってるんだとか、しかしながら演奏が気持ちいいだとか、自分の小さい頭を色んな感覚で埋め尽くした日だった。次はもう少し上手くやれると思うので、来年もよろしくお願いします。
▼聴いていた音楽
kurayamisaka - farewell
後に初企画に呼ばれた時は飛んで喜び、メンバーに何がなんでも出させて欲しいとお願いをした事が記憶に新しい。いかしたインディミュージックはどこか独善的で、お前たちには分からないだろうと突き放す事も要素の一つだと言えなくもない。kurayamisakaは誰もを受け入れるメロディでありながらサウンドはそれであり、いろんな入り口になるバンドなんだろうなと思った。
●5月
5/4 パンゲア企画で初のサーキットイベント「邂逅遭遇」に出演。演奏前に田井中が寝巻きのまま手ぶらでやってくるなどハプニングもあったが、無事演奏。もう少しこう言ったサーキットなどにも出たいとは思いつつ、初見で引き込むキャッチーさに富んでいる訳でもない我がバンドを省みたりした。

その後GW内(5/7) 東京でyeti let you noticeの自主企画に呼ばれ、渋谷O-nestでライブ。この日を境に急激に仲良くなり、主に秋好くんに関してはこの後何度も会った気がする。残響っぽいものからDirty Hitなアプローチを経て、何処でもないところに到達している… というバンドの歴史が一回見ただけでなんとなく伝わってくる良いライブだった。
5/27 福島2ndlineにて、1月から延期になっていたthe scentedのリリースイベントに出演。大阪では初期衝動をそのまま音のデカさにするバンドは意外と少ないので、とてつもない轟音を叩き出すthe scentedにびっくりした。前回のブログにも書いたが後に関わる接点も出来た日だった。

5/28 シングル“瞳”リリース。
年頭にMVを公開していたので今更感はあったが、EPの計画も現実味を帯びてきた頃合いでのリリースになった。この曲は良くも悪くも今後呪いの様なポジションになる気がしている。
▼聴いていた曲
yeti let you notice - 夜間飛行(space tour ver.)
共演後は暫くこの曲しか聴けなくなった。疎遠になることを、宇宙空間へほっぽり出されてしまうことに例えるなんて、ロマンチックなバンドだ…。ギミックや少し過剰なグリッチなど全てが完璧で、イヤホンを耳の奥にもう一押ししてしまいたくなる。後半のサイドチェインの部分をまた現地で見たい。
●6月

上旬、anode EPのレコーディングがスタートする。厳密には瞳は完成しており、22もベースとドラムが昨年末に録音済みだったのでそれ以降の録音だった。今年に入ってからのライブで少なからずバンドが成長しており、レコーディングはそれを感じる場でもあったと思う。EPに関しては1万字のライナーノーツがあるのでそちらを参照して頂きたく。

中頃、大学の同級生が亡くなった。サークルも同じで、一緒にコピーバンドをしたことや自宅に遊びにきたこともある友人だった。友人の恋人とも仲が良かったこともあり、第一報を受ける。その後、サークルで代表だったこともあり周りに報告の連絡などをした。あまり細かく書くことでもないが、本当に魅力のある人だったと思う。
▼聴いていた音楽
猫を堕ろす - 非機能の手紙
なにか心の整理がつかない時は猫を堕ろすを聴いてしまう。そうさせる共感性がこのバンドの曲にはある。そう言えば最近ykpythemindから久しぶりに連絡が来たような気がする。
2022 振り返り 1-3月
お久しぶりです。かなり久しぶりの更新で、前回がanode EP(8月リリース)のライナーノーツになってしまいました。今年は個人的に色んな出来事があり、なんとなく自分でも振り返りたくなりそうな予感がありまして備忘録を書いてみようかなと。写真や聴いていた音楽、ツイートなどを駆使しつつやっていきます。
●1月
大晦日に瞳のMVロケハンを大学の先輩二人に同行してもらいながら決行、JR神戸線の塩屋駅付近でロケーションを何ヶ所か巡ってそのまま眠らずに年越し、初日の出を見た。人生で初日の出を見たことがなく、思えば今年に充満していた“斜に構えず楽しむ”マインドはこの日を起点に始まったような気がする。

その後、1/3にMV撮影。モデルになつみちゃん、監督に湊川萌を迎えて撮影から編集まで丸一日で終えるとんでもないスケジュール。危惧していた天候もバッチリで、細かいコンテも自分で切った手前かなり愛着の湧く映像作品になった。カットごとにズームインやアウトを繰り返すコンセプトが肝だったが、そのズーム具合などを阪急淡路駅前のアトリで夜中まで詰めたことが思い出深い。

誕生日、箱根に旅行へ行った。熱海に初めて行った時もそうだったが、微かにバブルの臭いが残る観光地には惹かれるポイントが多いように思う。ひたすら景勝地と金のかかった箱物を巡りまくれたので良かった。瞳のMVを公開する為の段取りも落ち着いていたのでしっかりと打ち上がっていました。一方メンバーはワンマンから販売するグッズの作成を頑張っていたらしい。普段夜中まで曲を作っているから参加しなかったことは不問にして欲しい。
1/21にthe scentedのリリースツアーに参加する予定だったが、先方のコロナ罹患により延期に。幸先が良くないなと思いつつも、世間では第六波が始まったなどと言われており、2月にワンマンを控えていた我々も気をつけないとねと話していた(結果、延期したが)。

その後、1/30に同じくコロナウイルスで出演者にキャンセルが出たイベント“BED TOWN”に急遽出演する。For Tracy Hydeはその後脱退するU-1(Gt)の大阪ラストライブだったが、そんなことは露知らずウマ娘の話に興じていた。この日のライブはワンマンのゲネプロをSOCORE FACTORYでやっていたことや、代打であることによるリラックス度合いもあって良かったと思う。
▼聴いていた音楽
overused - 手紙
遂に今年はこれを超える楽曲がなかったように思う… 6/8拍子でキャッチーな曲を作ることは難しく、どうしても展開同士がなだれ込むようになってしまうので。ただこの曲はそのポイントが曲の良い側面として作用しまくっており、終始歌詞のストーリーが前に転がっていくやるせなさみたいなものに昇華されている。
●2月
昨年暮れにレコーディングをしていた22の歌入れを行った(後に没になった)り、2/19に控えるワンマンのリハーサルなど。結果メンバーが1週間前にコロナウイルス患者となり延期することに。微妙に行き場のない気持ちを抱えつつも、TOKIO TOKYOが延期に快くオーケーを出してくれたことあり休養の月になった。

延期日程も決まるかどうかの2/16、折角なら新曲をやりたいとアンセムの原型を作り始めた形跡がボイスメモにあった。基本没曲や作業中の弾き語りなどはメンバーに送らず、自分の中で基準を通ったものしか送らないがこの時は心配のあまり上記のやりとりをしている。
後は免許の更新をするなど。仕事中に切られた駐禁による違反者講習を受けて、心新たに労働への恨みを沸々と抱いていた。京都市内は暴利を貪るコインパーキングが跋扈しておりけしからん。
▼聴いていた音楽
adieu - 旅立ち
ほんとにいい曲しかないのかこのプロジェクトは… と途方もない気持ちになると同時に、betcover!!のヤナセさんがこんな人懐っこさ全開のポップソングをかけてしまうことにもびっくりしてしまった。
●3月
ワンマンの延期日程が4月であるにも関わらず東京のライブが決まり始めるなど、既に今年の東京フリークぶりの影が現れ始める。
3/5 FUJIの初ライブに呼ばれ、幡ヶ谷forestlimitでフロアライブ。多く見積もっても30人くらいしか入らなさそうな空間に90名近く入っていたそうで、会場のコンクリートも相まってさながらファイトクラブの様相だった。3月はまだコロナウイルスの世におけるプライオリティがかなり上位だった頃だが、集まっていた観客にはそんなことはさて置くぞと言った熱気があった。

この、少年誌(能力モノ)の主人公に挟まれているモーニングに登場するうだつの上がらないサブカル主人公のような俺を見て欲しい。左がFUJI/右はSunday Morningsのイズモくん。
あんまりこんなこと自分で言いたくないが、FUJIが音楽を始めるきっかけの一つがcolormalだったらしい。振り返るとインスタのDMで宅録の機材やら質問をされたことを思い出し、なんとも言えない表情でライブをしていたような気がする。イズモくんは、笹川真生やキタニタツヤあたりの流れからお互い知りつつも初対面だった。ポワソンダブリルについてが好きだと伝えると死んでくれと言われ、嬉しかった。
この後も彼らと絡む機会も増えてすごくいい夜だったと思う。

下旬は3/21にGRAPEVINEのスプリングツアーへ。寅年と言うこともあり、彼らの中で最もお気に入りの“虎を放つ”が聴けるはずと向かい、なんと一曲目に演奏されてしまって以降の記憶が曖昧だ。
このブログを執筆している12/14現在、直近のライブにあたるズカイのツアーファイナル(12/10 @梅田シャングリラ)で演奏した鎹のアウトロアレンジはこの時の虎を放つオマージュです。もし伝わった人がいたら最寄駅で一緒に飲みましょう。

さらに末の3/27、母校の泉北高校でOBライブに出演した。高校生にローディをしてもらいながらギターを弾くなんて今後の人生であまりない経験だな、と感慨深くギターを鳴らしていたところ真空管アンプを壊してしまった。現役高校生の皆さん、申し訳ありませんでした。大人になると言うことは、ゲインアップではなく過入力であると言うことを体現できましたでしょうか。
▼聴いていた音楽
Laura day romance - Waltz ワルツ
1月のoverusedで6/8拍子(3拍子)は云々と語っていましたが、この曲も刹那感が凄いのなんの。「喉が乾く/眠くなる/春の匂いに嬉しくなる/街のリズムにのって/形ないものを追う」思春期の無邪気さをこんな美しい歌詞にコンパイルできる脳みそが欲しい。アルバムを通してアコギやペダルスティールが盛り込まれたフォーキーな音像だったのもかなり印象的でしたよね。