怪獣と幽霊

colormal イエナガによる雑記

2022 振り返り 7-9月

●7月

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 anode EPのミックス作業を2日間で行った。瞳に関しては東京のトリプルタイムスタジオでオンラインミックスを依頼したので、残りの3曲を録音もした日本橋LubLabで行うスケジュールになった。エンジニアの西平さんも我々に対する理解が深まってくれた様で、面倒な処理をお願いする場面も多かったが、お陰様でいい音の作品になったと思う。無限に予算が有れば一生レコーディングだけしていたいと思うくらいに制作は楽しいが、色々と小言を言われながら録音するメンバーは大変だと思う。

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 アーティスト写真の撮影をスパイスアベニューゆう吉(ゲストハウス木雲)で行った。正直言ってしまえば、別に事務所に所属しているわけでもない我々がこまめに写真を更新する必要はないと思うが、後から見返すとその時のモードも思い出せて良いのかも。

スパイスアベニューゆう吉は、引っ越してきてから通う様になった馴染みの店。元々はカレー屋のみの営業だったが、最近は立ち飲み営業も始めたので輪をかけて通う様になってしまった。

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 一旦リリース周りが落ち着いたので夏休み。ブライアンイーノ京都展に行ったりした。アンビエントミュージックに造詣が深いわけでもないが、マツヤマと田井中が行っていたので空前のイーノブームに乗らない訳には行かず。座席が用意されている展示で普通に20分くらい寝れたので、アンビエントっていいものですね。

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おまけでゴールデンカムイ展へ。ヒンナヒンナ。

 

▼聴いていた音楽

 the band apart - 夏休みはもう終わりかい

もう成熟というか、おっさん達がやってるバーベキューとかを横から覗かせてもらってるくらいのテンションで音源を聴いてしまっている。こちらが求める音で、寄せられる期待は微妙にいなしつつ気持ちいい曲をリリースし続けていて素晴らしい。こういうバンドになりたいよね、みんなそうなんだろうけど。

 

 

●8月

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 8/6〜8/7にかけて東京で二日間ライブ。この辺りから最早東京に対する感覚が狂い出した気がする。初日は新宿ナインスパイス、羽生ちゃんの企画だったが終始演者への愛ある企画だったので良かった。初めましてのasayake no atoとはここで挨拶をさせてもらい、来年2月のツアー打診をこの日にはしてもらっていた気がする。
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 2日目は憧れの新代田FEVERにて、草稿さんのイベントに。フォトハイ及びTTUDの力を借りた上でだが、今年やった東京でのライブの中ではトップクラスに思い出深い公演だった。ゲスト参加してくれたU-1ありがとう。

なによりFEVERは楽屋が広いし、ステージへの動線も余裕があり素晴らしい。冗談抜きで楽屋の面積がその日のライブに影響しているとすら思う。終演後は秋に共演が決まっていたkurayamisakaのメンバーや望月起一くんと話し込んだりと打ち上げも楽しかった。信じられないほど泥酔しホテルに戻り、翌日は仕事だったので朝6時の新幹線で帰阪。

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 中旬、笹川真生がかなり久しぶりに関西でライブをするとのことでスタッフをすることに。前乗りしていたらしく、まおちを酒菜うえっちに連れていけたので良かった。うえっちは7年くらい通ってるし、まおっちは仲良くなって5年くらい経った気がする。プルコッチ味噌きゅうり、と言う悪魔級に美味しいアテがあり、二人しておかわりなどして楽しかった。f:id:colormal:20221217185824j:image

 翌日はお手伝い、と言っても転換を手伝った程度だけど。そもそも笹川真生のライブを見ること自体数年前のツーマン以来だったので、配信で見ていたとは言え変化に驚いた。キーボードの千冬ちゃんがアレンジにめちゃくちゃ寄与していたり、鳩くんクロカワくんのリズム隊も進化しまくり。maison(2022)楽屋にいたから聴けると分かっていながらも感動した。

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 8/17 anode EPリリース。もうこのEPに関して語ることは一切ないので、OTOTOYのインタビューやライナーノーツを参照して頂きたく。後は数年後になんとなく再生したくなるかどうかがこの作品の評価ポイントだ。

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 8/21 SUMMER SONIC 大阪へ。1975が本当にオールタイムベストな内容でライブをしてくれるもんだから、本当に泣き踊りみたいな感じになってしまい良かった。すっかりこの体験で「夏って最高」と思ってしまい、海水浴に行ったり花火を見に行くなどしてしまった。根本的にメンタルが流されやすい人間で良かったと思う。

 

▼聴いていた音楽

 パソコン音楽クラブ - KICK&GO(feat. 林青空)

友達が最高の音楽やっててシンプルに泣いてしまった。林青空のシングルをパ音柴田くんと編曲したの、かなり昔になるんですね。パソコン音楽クラブがSee-Voice(名盤)を完成させた後、歌物を作るモードに入っているのが個人的に嬉しい。

 

 

●9月

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 個人的にワンマン以降、新しい音のモードに行きたいと思ってストラトキャスターを買った。American Proffecionalだが、前オーナーがリフィニッシュしたり各パーツを細かく交換しており、それがかなり功を奏して良いギターになっている。端的に言うとブライトな方向になっているが、ジャズマスターで嫌になるほどトレブルに向き合ってきた自分にとってこれくらい暴れ感がないと物足りなかった。

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 anode EPリリースのお祝いも兼ねて、前から共催イベントをしたいねと言っていたyeti let you noticeとパンゲアにて企画 “Chapter 1”

楽しかったし、個人的にここから各バンドに新しいお客さんの層がついたことが凄く嬉しかった。来年は東京で“Chapter 2”をやれるかと思います。

 残りはバンドに向けてのデモ作業がメインで、在処のデモなどがこの頃に出来たと思われる。大学の友人が結婚式に曲を書いて欲しい、と言ったくれたことをきっかけに作業をしていた。

 

▼聴いていた音楽

 Khaki - Overtone

狂った様に2〜3ヶ月聴き続けていたと思う。大阪で聴ける機会もあるといいな… MVが特に良いのでYouTubeで見てください。

2022 振り返り 4-6月

 早めに書き切らないと年を越してしまいかねないので、早足で。

 

●4月

 命日が近かったので母の墓参りに行く。10歳の時に亡くなったのでもう15年以上経っていることにびっくりしつつ、もう少しまめに参らないと行けないと反省した。お酒を墓前に供えたことがなかったので置いてみたりした。生前コーヒーと酒ばかり飲んでいたあたりは遺伝子を引き継げていますので、今後ともよろしくお願いします!

ちなみに母は音楽にはそんなに明るくなかったみたいだが、棚から漁って見つけたブライアン・フェリーのアルバムを契機にグラムロックを聴いてドヤ顔をしていたことがある。シューゲイズを嫌う自分なりのリバーブを意識する原体験だった。

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 今年は斜に構えず、季節を謳歌したかったのでネモフィラを見た。かの有名なひたちなか海浜公園もいつか行きたいと思った。花とか海とか、いつまで経っても心惹かれてしまうのは何故なんでしょう。

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 末に控えるワンマンライブを前に音作りを見直すべく、メインのエフェクターを入れ替えた。OKKO Diablo Dualは今年のベストバイの一つなんじゃなかろうか… 細かいことを書いても分からない人も多いかもしれないので簡潔に書くと、個性的な音ではないけどこれを入手して自分らしいニュアンスが出せるようになった。

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 4/15 Hue'sのアルバムリリースイベントにお誘いを頂いて、出演した。バンドとしての歴の違いがあるにしても、あそこまで高純度の鉄塊みたいな音像をメンバーで出せたらどんな気持ちだろうと思う。ひたすらに早い出音、とてつもなく良い声… いつ見ても惚れる。

金字塔を打ち立ててるよ、と思った矢先に龍くんが旗を掲げて少し泣きそうになった。建国でもしてるんかと言いたくなるが、演出として非の打ち所がないヒロイズムだった。また来年も一緒に演奏出来たら嬉しいが、突如売れて話しかけるのが億劫にもなって欲しい。

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 会社でお世話になった先輩が退職するとのことで、若手で和歌山のコテージに泊まりに行った。思えば仕事を辞めたいと相談していたのに、この先輩が抜け駆けをしたことで言い出せなくなってしまった。良い人もいる職場だけど、それだけに絆されてしまう事が多かった。このタイミングで思ったが、今年はやたらと海に行っている気がする。

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 4/30 キャリア初ワンマンをTOKIO TOKYOで開催する。ライブについては子細に書かないが、やはり未だに疲れた日の夢に見るくらい感動的だった。自分の創作物で人を集めることは、他ではなかなか補えない気持ちよさに溢れていると思う。なんでこんな真剣に音楽をやってるんだとか、しかしながら演奏が気持ちいいだとか、自分の小さい頭を色んな感覚で埋め尽くした日だった。次はもう少し上手くやれると思うので、来年もよろしくお願いします。

 

▼聴いていた音楽

 kurayamisaka - farewell

後に初企画に呼ばれた時は飛んで喜び、メンバーに何がなんでも出させて欲しいとお願いをした事が記憶に新しい。いかしたインディミュージックはどこか独善的で、お前たちには分からないだろうと突き放す事も要素の一つだと言えなくもない。kurayamisakaは誰もを受け入れるメロディでありながらサウンドはそれであり、いろんな入り口になるバンドなんだろうなと思った。

 

●5月

 5/4 パンゲア企画で初のサーキットイベント「邂逅遭遇」に出演。演奏前に田井中が寝巻きのまま手ぶらでやってくるなどハプニングもあったが、無事演奏。もう少しこう言ったサーキットなどにも出たいとは思いつつ、初見で引き込むキャッチーさに富んでいる訳でもない我がバンドを省みたりした。

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 その後GW内(5/7) 東京でyeti let you noticeの自主企画に呼ばれ、渋谷O-nestでライブ。この日を境に急激に仲良くなり、主に秋好くんに関してはこの後何度も会った気がする。残響っぽいものからDirty Hitなアプローチを経て、何処でもないところに到達している… というバンドの歴史が一回見ただけでなんとなく伝わってくる良いライブだった。

 5/27 福島2ndlineにて、1月から延期になっていたthe scentedのリリースイベントに出演。大阪では初期衝動をそのまま音のデカさにするバンドは意外と少ないので、とてつもない轟音を叩き出すthe scentedにびっくりした。前回のブログにも書いたが後に関わる接点も出来た日だった。

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5/28 シングル“瞳”リリース。

年頭にMVを公開していたので今更感はあったが、EPの計画も現実味を帯びてきた頃合いでのリリースになった。この曲は良くも悪くも今後呪いの様なポジションになる気がしている。

 

▼聴いていた曲

 yeti let you notice - 夜間飛行(space tour ver.)

共演後は暫くこの曲しか聴けなくなった。疎遠になることを、宇宙空間へほっぽり出されてしまうことに例えるなんて、ロマンチックなバンドだ…。ギミックや少し過剰なグリッチなど全てが完璧で、イヤホンを耳の奥にもう一押ししてしまいたくなる。後半のサイドチェインの部分をまた現地で見たい。

 

 

●6月

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 上旬、anode EPのレコーディングがスタートする。厳密には瞳は完成しており、22もベースとドラムが昨年末に録音済みだったのでそれ以降の録音だった。今年に入ってからのライブで少なからずバンドが成長しており、レコーディングはそれを感じる場でもあったと思う。EPに関しては1万字のライナーノーツがあるのでそちらを参照して頂きたく。

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 中頃、大学の同級生が亡くなった。サークルも同じで、一緒にコピーバンドをしたことや自宅に遊びにきたこともある友人だった。友人の恋人とも仲が良かったこともあり、第一報を受ける。その後、サークルで代表だったこともあり周りに報告の連絡などをした。あまり細かく書くことでもないが、本当に魅力のある人だったと思う。

 

▼聴いていた音楽

 猫を堕ろす - 非機能の手紙

なにか心の整理がつかない時は猫を堕ろすを聴いてしまう。そうさせる共感性がこのバンドの曲にはある。そう言えば最近ykpythemindから久しぶりに連絡が来たような気がする。

2022 振り返り 1-3月

 

 お久しぶりです。かなり久しぶりの更新で、前回がanode EP(8月リリース)のライナーノーツになってしまいました。今年は個人的に色んな出来事があり、なんとなく自分でも振り返りたくなりそうな予感がありまして備忘録を書いてみようかなと。写真や聴いていた音楽、ツイートなどを駆使しつつやっていきます。

 

●1月

晦日に瞳のMVロケハンを大学の先輩二人に同行してもらいながら決行、JR神戸線塩屋駅付近でロケーションを何ヶ所か巡ってそのまま眠らずに年越し、初日の出を見た。人生で初日の出を見たことがなく、思えば今年に充満していた“斜に構えず楽しむ”マインドはこの日を起点に始まったような気がする。

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その後、1/3にMV撮影。モデルになつみちゃん、監督に湊川萌を迎えて撮影から編集まで丸一日で終えるとんでもないスケジュール。危惧していた天候もバッチリで、細かいコンテも自分で切った手前かなり愛着の湧く映像作品になった。カットごとにズームインやアウトを繰り返すコンセプトが肝だったが、そのズーム具合などを阪急淡路駅前のアトリで夜中まで詰めたことが思い出深い。

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誕生日、箱根に旅行へ行った。熱海に初めて行った時もそうだったが、微かにバブルの臭いが残る観光地には惹かれるポイントが多いように思う。ひたすら景勝地と金のかかった箱物を巡りまくれたので良かった。瞳のMVを公開する為の段取りも落ち着いていたのでしっかりと打ち上がっていました。一方メンバーはワンマンから販売するグッズの作成を頑張っていたらしい。普段夜中まで曲を作っているから参加しなかったことは不問にして欲しい。

1/21にthe scentedのリリースツアーに参加する予定だったが、先方のコロナ罹患により延期に。幸先が良くないなと思いつつも、世間では第六波が始まったなどと言われており、2月にワンマンを控えていた我々も気をつけないとねと話していた(結果、延期したが)。

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その後、1/30に同じくコロナウイルスで出演者にキャンセルが出たイベント“BED TOWN”に急遽出演する。For Tracy Hydeはその後脱退するU-1(Gt)の大阪ラストライブだったが、そんなことは露知らずウマ娘の話に興じていた。この日のライブはワンマンのゲネプロをSOCORE FACTORYでやっていたことや、代打であることによるリラックス度合いもあって良かったと思う。

 

▼聴いていた音楽

overused - 手紙

遂に今年はこれを超える楽曲がなかったように思う… 6/8拍子でキャッチーな曲を作ることは難しく、どうしても展開同士がなだれ込むようになってしまうので。ただこの曲はそのポイントが曲の良い側面として作用しまくっており、終始歌詞のストーリーが前に転がっていくやるせなさみたいなものに昇華されている。

 

 

●2月

昨年暮れにレコーディングをしていた22の歌入れを行った(後に没になった)り、2/19に控えるワンマンのリハーサルなど。結果メンバーが1週間前にコロナウイルス患者となり延期することに。微妙に行き場のない気持ちを抱えつつも、TOKIO TOKYOが延期に快くオーケーを出してくれたことあり休養の月になった。

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延期日程も決まるかどうかの2/16、折角なら新曲をやりたいとアンセムの原型を作り始めた形跡がボイスメモにあった。基本没曲や作業中の弾き語りなどはメンバーに送らず、自分の中で基準を通ったものしか送らないがこの時は心配のあまり上記のやりとりをしている。

後は免許の更新をするなど。仕事中に切られた駐禁による違反者講習を受けて、心新たに労働への恨みを沸々と抱いていた。京都市内は暴利を貪るコインパーキングが跋扈しておりけしからん。

 

▼聴いていた音楽

adieu - 旅立ち

ほんとにいい曲しかないのかこのプロジェクトは… と途方もない気持ちになると同時に、betcover!!のヤナセさんがこんな人懐っこさ全開のポップソングをかけてしまうことにもびっくりしてしまった。

 

 

●3月

ワンマンの延期日程が4月であるにも関わらず東京のライブが決まり始めるなど、既に今年の東京フリークぶりの影が現れ始める。

3/5 FUJIの初ライブに呼ばれ、幡ヶ谷forestlimitでフロアライブ。多く見積もっても30人くらいしか入らなさそうな空間に90名近く入っていたそうで、会場のコンクリートも相まってさながらファイトクラブの様相だった。3月はまだコロナウイルスの世におけるプライオリティがかなり上位だった頃だが、集まっていた観客にはそんなことはさて置くぞと言った熱気があった。

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この、少年誌(能力モノ)の主人公に挟まれているモーニングに登場するうだつの上がらないサブカル主人公のような俺を見て欲しい。左がFUJI/右はSunday Morningsのイズモくん。

あんまりこんなこと自分で言いたくないが、FUJIが音楽を始めるきっかけの一つがcolormalだったらしい。振り返るとインスタのDMで宅録の機材やら質問をされたことを思い出し、なんとも言えない表情でライブをしていたような気がする。イズモくんは、笹川真生やキタニタツヤあたりの流れからお互い知りつつも初対面だった。ポワソンダブリルについてが好きだと伝えると死んでくれと言われ、嬉しかった。

この後も彼らと絡む機会も増えてすごくいい夜だったと思う。

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下旬は3/21にGRAPEVINEのスプリングツアーへ。寅年と言うこともあり、彼らの中で最もお気に入りの“虎を放つ”が聴けるはずと向かい、なんと一曲目に演奏されてしまって以降の記憶が曖昧だ。

このブログを執筆している12/14現在、直近のライブにあたるズカイのツアーファイナル(12/10 @梅田シャングリラ)で演奏した鎹のアウトロアレンジはこの時の虎を放つオマージュです。もし伝わった人がいたら最寄駅で一緒に飲みましょう。

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さらに末の3/27、母校の泉北高校でOBライブに出演した。高校生にローディをしてもらいながらギターを弾くなんて今後の人生であまりない経験だな、と感慨深くギターを鳴らしていたところ真空管アンプを壊してしまった。現役高校生の皆さん、申し訳ありませんでした。大人になると言うことは、ゲインアップではなく過入力であると言うことを体現できましたでしょうか。

 

▼聴いていた音楽

Laura day romance - Waltz ワルツ

1月のoverusedで6/8拍子(3拍子)は云々と語っていましたが、この曲も刹那感が凄いのなんの。「喉が乾く/眠くなる/春の匂いに嬉しくなる/街のリズムにのって/形ないものを追う」思春期の無邪気さをこんな美しい歌詞にコンパイルできる脳みそが欲しい。アルバムを通してアコギやペダルスティールが盛り込まれたフォーキーな音像だったのもかなり印象的でしたよね。

anode EP全曲ライナーノーツ

 レコーディングに入ったのは昨年11月頃、当初は瞳と22の一部をレコーディングしてシングルとしてリリースする予定だったが後回しに。2月を予定していたワンマンライブがコロナウイルスで延期したりと、本格的に製作をスタートしたのは6月下旬。そのままミックスも雪崩れ込んだので、正味なところ5〜6日間でスタジオ作業自体は完了していた。

Twitterにデモを作っては上げる、感触が良かったものから製作するというスタイルで幾つか曲は出来始めていたので、アルバムとしてパッケージするつもりが、予算とコンスタントにリリースしたいという気持ちもありEP2連作形態とすること。アルバム候補として挙げた楽曲がちょうど「明るい/暗い」と「歌モノ/オルタナ」で二分されていたので、今作は「明るく、歌モノ」を主題としている。

世間でここ最近発表される音楽は、どれも世相を反映したように影があるものが多い気がする。しかし僕らはコロナウイルス真っ只中で結成し、ライブの中止などはありつつも基本的には自分達のペースで活動出来た充実感もあって、anodeは厭世的な内容よりも個人の2〜3年を総括した詩曲の集まりになった。そもそもある程度想定のつく先のことなんて考えるほど鬱屈としてしまう人間だから、全員揃って先行きが不安になる情勢が心の底から不安だったかと言われると頷けない。世の中がどうとか、そんな事よりも自分のことで精一杯な人間が振り絞ったものってあまりに生活染みていたりする。

次作に関しては一転して「そういった」内容になると思われますが。

 

 つまりは分かりやすく良いものでなければ許されないという明快な目標のもと、今作に関しては大阪・日本橋のLubLabにて全てを完結させた(瞳を除く)。分かりやすいものを作ることは媚びではなく、祈りだと思っている。そう言う観点から言えば、凄く「祈った」EPだ。

自身としては今年頭からのライブ連投や取り巻く環境もあって、歌うことに対して考え方が変わり、それらの記録的な側面もある作品になった。

ワンマンライブに向けて、SOCORE FACTORYのかさごさんからSENNHEISERのe935をライブ用マイクとして借りたあたりがターニングポイント。我々はステージ内での音量が大きく、ボーカルが埋もれがちだったところに言い訳が効かなくなり、メンバーもそれを察してかなり空間を残してくれる様になった。この歌い方の変化に関しては、「瞳」とそれ以外の楽曲のボーカルの変化に分かりやすく出ていると思う。

MIXに関してもメンバー全員が立ち合い、主に自分がエンジニアの西平さんと話しこみながら作業出来たこともかなり大きいかも。田井中がこのスタジオに馴染みがあり、軽微な修正を含めて根気よく作業を繰り返せたことが個人的には良かったなと。

 

 

 

▼M1. 瞳 (1カポ)

 個人的にこれを超える楽曲は暫く作れないのではと思う程に自分の美学が詰まった楽曲。デモを連作する流れもこの曲を起点としているので、そういう意味でもリード曲。ボツ曲の断片を再利用する形で構成されているので、厳密に完成したのは2021年の夏頃。楽曲のポテンシャルに対してバンドが追いついていないけど、この曲がディスコグラフィーにあるのは誇れる。

 

 いつか作りたいと思っていたファイナルファンタジー8の非公式エピソード(リノア=アルティミシア説)を歌詞にすることで、以降作詞に関してもフィクションを楽しむ様に姿勢が変わったと思う。FF8に関しては端的にいうと「ヒロインがいつかはラスボスになってしまう」ループを繰り返すと言う、ファンによる考察のこと。英題の“eyes on me”も同作主題歌から。繰り返していくことでしか物事は変わらないわけですが、それはさておきどうなったら終わるんでしょうか というのがテーマ。

anode EP並びに制作中の次作を通して、ループ物作品に対して愛を込めたいという裏テーマにも繋がっている。田井中が肘部管症候群を発症する直前くらいに出来たはず。

 

 ギターはほぼ自分でフレーズを指定し、ベースに関しても今作のなかでは自分のラインがそのまま残っている部類で、コード進行に対するフェチズムがかなり盛り込まれている。ループしながら変化をしていく、と言う歌詞の内容に沿って作ったギターリフも我ながら良いものに。前作(losstime EP)の楽曲でも分かりやすいが、サビのコード進行に関しては途中で着地しないと言うのが割と拘りとしてある。スタートのGM7から最後のGm6まで一度も同じ和音を踏んでおらず、感覚的には大きな円を書くイメージ。Ⅳ⇒Ⅴ⇒Ⅲ ⇒Ⅵの進行をどれだけ地に足が着いていない雰囲気にするか、みたいなのが楽しい。

 

 ワンコーラスの長さはアニメサイズ、Cメロも盛り込む、ギターソロは勿論入れましょう… とやりたい放題だが3分弱に収まっているあたりに手応えがあった。

CMが来ても、OP/EDでも、歯医者のオルゴール BGMにも対応出来るものにしようと言うメロディへの気合が随所に出てる。タイアップの案件、お待ちしておりますのでいつでもお声かけください。

 

 ミックスはトリプルタイムスタジオ(東京)の岩田さんによるオンラインミックス。特にリズム隊に関しては「これぞ」な音で返ってくるし、空間系の扱いは慣れ親しんだ質感だったので、数回リテイクをお願いするだけで基本はお任せだったと思う。EP収録に際してマスタリングはやり直してもらったが、スムーズさより少し角が出た質感を押し出して各フレーズが分かりやすくなった。

 

 

▼M2. 22  (レギュラー)

 瞳以降の連作デモの中でも反響が特にあったのがこの曲。イントロは幽☆遊☆白書のOP「微笑みの爆弾」が元ネタで、カッティングなんかにその辺りは出ているんじゃないだろうか。間奏はKawaii Future Bass で言う所のドロップ。もう少し淡々としたトラックをイメージを予想していたけど、マツヤマが持ってきたベースラインが信じられないほど動いている事から曲自体のイメージが塗り替えられるなど。

 

厳密には同じく人力Kawaii Future Bass /ハイパーポップを意識した「最大限」が出来た頃に鼻歌のデータが残っていたので、かなり前から構想はあった様子。「再放送」あたりが意に反して人気だったので、それなら同じようなの作ろうかと引っ張り出したのがスタートだった。よくメンバーにはこんな曲ならいつでも作れるよ、とか言ってた様な気がする。

m7-5の差し込み方とか、コード進行やギターのアプローチに関してはただの手癖感が否めない。1Bでやささくが生み出したネオソウル全開のフレーズだったり、マツヤマの気が触れたベースラインがなければ割と冗長な曲。ただ7thや9thっぽいコードボイシングが多かったので、その辺りに反応してメンバーはフレーズを持ってきた様に思う。特にマツヤマがその辺りを解釈して、リファレンスとしてキタニタツヤやFOALSを挙げていた。それらをどう咀嚼したらこのアホなベースラインになるのか甚だ疑問だけど、まあかっこいいから良し。

 

 ミックス作業は難航こそしていないものの、細かい作業が多く半日近く要した。前述の元ネタやベースラインのことで情報量が増え、田井中が持ってきた冒頭のフィルインが1975のShe's Americanっぽかったのでゲートリバーブをドラムにかけたいとエンジニアにお願いをしたところ、YAMAHAのREV7実機を使って実現することが出来た。80年代っぽいリズム処理、ギターはネオソウルの文脈、ベースは近年流行りの「リードベース」的な仕上がりになったので曲自体の時代考証はかなり滅茶苦茶かと。

バックで鳴っている機械音の様なシーケンスはREC後に自宅で打ち込んだもの。Arcadeと言うサンプラープラグインで作ったボコーダーを素材のループ、後はローズピアノ系の鍵盤がポイントでダビングしてある。基本的にはライブで再現できない楽器は入れたくないと思いつつ、あくまでドラムのサンプラーで乗り切れる範疇に。

 

 楽曲全体で歌っているのは「金ないよね」と言うだけの内容であり、タイトルは手取り月収の額面。当初もう少し歌詞をコミカルにしようかと思ったが、メンバーやエンジニアに反対されたので繰り返しメインになった。ミックスを含むポストプロダクションの手法と、その発想がチープなものになったので宅録時代との間の子っぽさがある。

 

 

▼M3. 優しい幽霊  (1カポ)

 初めて弾き語りで作った曲であり、当初スリーピースだったcolormalのバンド形態でセッションしつつ産まれた曲なので、出来たのは2019年初頭だった。今後もソロの再録はするにしても、今回音源にしなければ二度とタイミングはなかった様な気がする。

全体的に肩の力を抜いて、というか我々らしい音作りをそのままコンパイルした曲になった。ベースをリアンプで収録する際にEDENのアンプをチョイスしていて、いい意味で低体温なローの質感と埋め具合が最終的な楽曲全体の繋ぎとして作用している。2回あるギターソロのうち、1つ目はやささくで2つ目が自分の考えたフレーズ。他の楽曲もどちらが考えたかは割と分かりやすいが、特に本楽曲は聴き比べるとギターに対するお互いのアプローチが分かりやすくて面白いと思う。

 

 バンド形態で活動をスタートさせた頃はとにかく友人各位の躍進が目覚ましく、「自分はついていけないけどまだ音楽をやっていいでしょうか」と問いかけるような情けない内容になっている。今となっては自分の方が長く続けてしまっている事に気づく瞬間も増え、色んな面で幽霊をモチーフとしたことで感情的になりやすい内容に。タイトルからも判るように大きな怪獣と対にしているけど、今となっては意図を覚えていない。

コードが予測不能な動きをする時は、メロディが安心するもの。メロディが王道を進む時はオケにスパイス、トータルして誰もが納得して欲しい。どちらも予想を裏切る天才ではないことを大きく受け入れて、諦念めいたポップスを突き詰めるきっかけになった。

決して幽霊を冠した意図と関わりはないが、制作した2019年と2022年それぞれに親しい人が亡くなってしまったこと、結成当初から演奏してきたことで自分の中での捉え方が変わって、曲自体の成長性を初めて感じた一曲でもある。

 

 当時サポートだった田井中、うえまや姉さん(現Start A People)と演奏が終わるたびに「ええ曲やな…」と口にしていたのが懐かしい。メンバーに褒められる楽曲がまず大事ですよね、と言うバンドに於けるプリミティブな感動体験を教えてくれた楽曲でもある。

 

 ミックス前にグロッケンとメロトロンを打ち込みで入れているけど、どちらもフリープラグイン。特に面白いのはイントロのリードギターにかかっているリバーブ。これもフリープラグインで、「幽霊っぽさ」を出す為にValhallaのSupermassiveのピッチ揺れする設定を手作業で行なったり。その辺りの塩梅は遊びに来てくれた下川(ex.BSSM)と話し合いつつ。

わからない方向けに説明すると、バーベキューに急遽友達を呼んで焼き加減で盛り上がったよという事です。ちなみにその間メンバーは暇そうにしておりました。私が同じ輪の中に入れないのはこう言った協調性のなさから来ているんでしょうね。

 

 

▼M4. (tandem)

  インタールード。あまりにべたな演出だよな、とは思いつつもそれが相応しいだけのメロ強度を持って次曲の「アンセム」に繋がっているのでギリセーフ。通しでチェックしているときにここでグッときたので、無駄ではないはず。

レコーディングとミックスを全て終え、最後の最後に1発で録り。コンソールルームの扉を開けっぱなしにしてマイク一本でスタジオに漂う思い出ごと録音したイメージ。メロディはデモ時にBメロの候補になっていたものを流用した。

 

 

▼M5. アンセム (レギュラー)

 2月のワンマンライブが延期になり、どうせ延期するなら新曲をと制作した。僕の中に宿る亀井亨のメロディセンスに対する信仰心が強く出ていて、リファレンスには“想うということ”あたりを据えてある。完成当初あまりにメロディに既聴感があったのでメンバーにパクリになってないか確認をした記憶がある。

 

 製作を進める中で、ベースのマツヤマが入籍を決めたこともあって歌詞の内容は全て彼の、と言うか一友人に向けた内容になった。ディディールは色々ありますが、伏せます。ワンマンに来てくれるようなコア層の人たちに向けつつ、並びに友人の門出を祝うという意味で広義のラブソングなんだろうな。

 

 ミックスに関しては冒頭のギターリフに大胆なリバースディレイをかけている点が面白いかもしれない(L側にリバースを飛ばしています)。J-POPアーティストがUKロックを雑に咀嚼したものをパロディにする、というメタな感覚をエンジニアも理解してくれていたので、最もスムーズに作業が進んだ。飲み会で“Don't Look Back In Anger”を合唱するような青春を、思い出して慈しむというオタク仕草でしかない。

特にボーカルに関しては、チェックの為に一回通しで歌ったテイクで殆ど本採用になったので、冒頭の歌うことへの姿勢が変わったことを一番顕著に感じられるのはこの曲。最近the band apartのインタビューで、歌録りはテイクを重ねると言霊がなくなると答えている部分があって大いに納得した。この曲もあまりに小っ恥ずかしい内容の歌詞だが、テイクを重ねていないからこそ真実めいて聴こえるようになった。

 

 Sus4をそれらしい文脈で使ったり、ブルージーな要素がないバンドが使うブルーノートっぽい音運びがこの曲の「ベタだけどグッとくる」ポイントになればいいなと考えながら作曲した記憶がある。ダビングするとすればホーン隊が欲しいタイプの質感。サビの後半に一瞬だけ現れるコーラスラインは田井中から提案された音程で入れていて、トランペットっぽいフレーズなので腑に落ちたりした記憶がある。

 

 バンド全体で後ろノリなのか、はたまた単に不安定なのかなんとも言えない居心地のいいタイム感に仕上がっていて。このあたりはなんだかんだでバンドとして活動してきた期間の集積みたいなものを感じられるポイントであり、当事者にしか分かり得ない感動ポイント。

「延命」とかと同じような評判が上がっていて、意外と皆さんシンプルで頭に残る歌メロがまだ好きでいてくれるんだねと。

コード進行も我々の中で最もシンプルなのでコピーにもオススメ。珍しくギター隊も両者リアピックアップを選んで演奏したりと、奇を衒わないマインドが共有されていて良かった。特にギターソロは過度にこってりとしたヒロイックなフレーズで、これに関しては自分の手癖では出てこない内容。

 

皆さんも挙式の際には是非こちらの楽曲をお使いください。今のところJASRACフリーなので使い放題。出張で演奏する際は実費を頂きます。

 

 

▼総括

 音楽が幅広い年代に同時に聞かれる為にはメディアでプッシュされることが最短経路だと思うが、そう言ったことではなく「10年後も演奏できるし恥ずかしがらず聴いてもらえる」とか「親がカーステで流したら子供が良いなと思う」と言った、一旦個人で消化された後に広めて貰えるような音源に出来たらと言うのが理念だった。

近年の「常人には理解されきれないセンスを持った人たちが、みんなに分かってもらえるレベルまで視座を下げて曲を作ってくれている」と言ったものをありがたる構図がいけ好かなかったし、その実は自分にセンスがないことを一旦飲み込んでやっているだけかもしれない。平凡な表現者であることを楽しみたいと思う。

 

一旦は歌モノ、並びにシンプルさで胸に訴えるみたいなものには終止符を打てる内容になったと思います。もちろんこれからもメロディから逃げず良いものを作るけども、少し実験的なタームに入りたい。ニッチな内容は何処かで話す機会があれば… と思いつつ。

今後もcolormalをよろしくお願い致します。

 

 

▼主な使用機材(おまけ)

 

Fender Japan Jazzmaster

瞳のみ使用。かなり手を入れているので、トラディショナルなジャズマスターに比べてトレブリーさが少ない。メンバーには呪いのギター扱いされている。主な変更点はピックアップはレトロトーンのVelvetone、ポットはトーンのみ500kΩ、ネックはメキシコ製。

https://nakami.jp/colormal-nakami/

 

Fender American Professinal Ⅱ Jazzmaster

ワンマンに向けて登用したもので、他の3曲はこれ。あくまでジャズマスターの範疇を守りながら弾きやすく、かといってモダン過ぎない音色が素晴らしい。特にネックの感覚は今まで弾いたギターでも一番ストレスフリー。最新のフェンダーって、いいっすよ。恐らく今後あまり出てこないと思います。

Fender Bassbreaker 30R

奇妙な箱鳴り、変なミッドが特徴のアンプ。プリアンプはマーシャルっぽいが、総合的な質感にほんのりとVOXを感じる。正直飽きてきたし、纏わりつくローの質感が鬱陶しいので買い換えようと思いつつも、色んなメーカーの雰囲気が感じられて懐が深いアンプだと思う。

・OKKO Diablo Dual

歪みは全編こちら。これだけでいいです。過去にART-SCHOOLでトディーが使用しているのを見て入手。アンセムのバッキングだけ「情けない」音にしたかったのでやささくからケンタ系のペダルを手前からブーストするなど。あとは22でショートディレイを借りた(empress Tape Echo)。

 

 

0331

 取引先の役人がスティーブンタイラーに似ている。トウモロコシの如く歯並びが綺麗なところや、眉と目のレイヤーが重なっているのではと思えるほど近い点も似ていて、なんとなく最近はエアロスミスを聴いている。

 

https://youtu.be/qbexOeoH5hg

この曲が一番好き。メジャーセブンスはかくあるべきといった遣われ方で、歌い出しすぐにトウモロコシを確認できるのも良い。娘をうんざりさせているのは自分なのかもしれない、という歌詞が載るあたりも切なさがある。そうだよな、これくらい空間が広く感じられる曲を作りたいよなと思っていたら敬愛するバンドが既に丸パクリしていた。

 

https://youtu.be/R02nGzZWGdA

トリビュートだけど。「うんざりしている」と言う主題も、日本への呆れを歌ったこの曲に合っていて粋なカバーだと思う。〈ニッポンてところはなかなかステキ/おぼえたら帰るからね〜〉後々にリリースされた「真昼の子供たち」にも通ずるアレンジで、そのあたりに納得したりもするなど。

GRAPEVINEは先日ツアーにも行った。自分のApple Musicを大阪ホールで流させてもらっているようなセットリストで、時流も汲んだ内容もあり終始まぶたが熱くなるライブだった。

自分は所謂スタジアム級のバンドを聴き漁る経験が殆どなく、ギターも有名なリフをダジャレで弾くくらい。

 

いや、高校生の頃はコピーしていたかも。顧問の教師をボーカルに、それこそエアロスミスを弾いていたりしたいた。信じられないことにストラトキャスターにファズだけを繋いで弾いていた。一周回ってジミヘン高校生と言っても差し支えなかったかもしれない。今くらいネットで「正しい音作り」が流布されていたら、もう少し違っていたかな。

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そんな思い出の高校でまた演奏する機会があるとは思っていなかった。男子高校生に「クリーン系の音でいいですか?」なんて言われながらアンプを触られつつ、女子高生にPAされる機会は恐らく一生なさそう。

 

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急遽顧問に呼びかけられて、ボンジョヴィを弾かされるなど。ジャズマスターにファズだけでボンジョヴィを弾く妖怪が、king gnuを常田シグネイチャーギターで弾く高校生の瞳にどう映ったんでしょうね。素直に楽しかったです。

 

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外はもう春。来年度もよろしくお願い致します。

10/3 - 10/6

10/3

モラトリアムの雰囲気を味わいたく、母校大学に行く。キャンパス内にスターバックスがあるなんて生意気な大学だなとは思いつつ、チャイラテ(豆乳)を飲みながら外で練習をする軽音サークルの女の子を見ていたところ、思うところがあり帰宅して2時間程でデモを作った。文面にしたところ、非常に気持ち悪い。


10/4

みなさんは「ごはんバーガー」を食べたことがあるだろうか。自堕落にバーガーなんてものを食べていながら、ご飯を求めてしまうその都合の良さに対して鉄槌を下すような半端さ。マクドナルドが悪いのではない。僕らの愚かさが招いた失敗なのだから。深夜にデモ録音するなど。


10/5

緊急事態宣言が明けて、飲食店の写真を上げる人が目につくようになった。改めて気づいたけど普段から飲みに行く人がそこまでいなかったということ… 緊急事態が明けて己の異常事態に気づく人は少なくないのだ。久しぶりにnoshを頼んだら進化していたし、大金持ちになったら食事は全部これでいいと感じた。こういうひもじい考えの者にお金は回らないよう社会はデザインされている。寝れず、デモ制作。

 

10/6

KPOPってすげえなとaespaのミニアルバムを聴いて感じるなど。MAMAMOOやらRed Velvetを聴き漁る時期ありましたが、再燃。そう言えば敬愛するシノダさんもKPOPリファレンスにしてたとか言ってたので納得するなど。毎日2時間ほどでデモを作ってツイートするようにしているけど、即公開することによって生まれるものが確実にある。BLEACHの作者が言う所の“ライブ感”ってこのことか。

9/29 - 10/2

9/29

人生で初めてコワーキングスペースを使う。非常に捗るとともに、なんでこんなことまでして働かないかんのやと、ふつふつと怒りが湧き始めてきた。友達の新譜がやたらと発表される日で、特にエイプリルブルーが良かった。彼ら(夏bot群)は楽器隊を執拗なほどダビングすることで輝く類の人たちだ。SNSで発言するのも癪なのでここに書いておく。


9/30

先週からずっと胃が痛いが、病院が嫌いなので行かない。恐らく将来は重めの疾患にも気付かず手遅れになること請け合いである。未だに生トマトも食べられないので、これらは一種の呪いに違いない。トマトを食べられない人間に対して、ケチャップはいけるんかと質問することは非常に失礼であることを弁える世の中であれ。何故ならもう2020年代なのだから。


10/1

mikikiの連載を書く。今月は一緒に連載を担当しているmeiyoについて書いたこともあり、ちょっと文量が多めである。ワタナベくんを知ったのは侍文化からだけど、その短い期間しか知らない私すら感動したのだから活動を追っていた人にとっては目頭が熱くなるメジャーデビューだっただろう。しかしながら文章にしろ音楽にしろ、見返すと自分の陳腐さがすごい。一生受け身で適当に暮らしたい。

 

10/2

iPhoneを買い換える。今使っているものを買った時は泥酔しており、携帯会社の実験用ラットかと言うくらい訳の分からないプランに加入させられ、その中に買い換えプログラムがあったので使わないのも勿体無いと。人間としての器のサイズに合わせてminiにする。時間が明確に進んでいるのは週刊連載を追っている時、テクノロジーの進化を感じるのは2年弱毎のスマホ買い換えくらいな気もする。